前回【4話】

戦後10年以上経っているのに

戦争の傷痕が残っている所を

お話しいたしました。

歳をとって思うに、あの人達は

確かに戦争で怪我をされたのかも

しれないけど、ちょっと怪しい仕事

だったのかな〜と。

もし本当に戦争でけがをされた方

だったらごめんなさい。

その当時は本当に幼くて怖い思い

しかなかったので、戦争は怖いと

いう感覚が自然に築かれていたの

かもしれませんね。

そして、毎日バスを降りて朝まだ早い

繁華街を歩いていた時です。

「静かな中、で突然向こうからカラン

カラントントントンという音が

聞こえてきたのです。」

で終わっています。

前回の記事はこちらから

【5話】

幼稚園へ向かう道、毎日古町という

繁華街を通るのですが、朝早い時間で

道脇のお店は閉まっていて、人もまばら

殆どだれも歩いていない中、

突然前方から

カランカラントントントン

タッタッタ

と下駄で走る音がしてきたのです。

下駄の主は芸者さんでした!

黒い着物を着て島田に結った髪

綺麗に白塗りをした芸者さん

あんな朝早い時間にどうして

走ってきたのかわかりません。

黒い着物に白い襦袢、

そしてチラッチラッとみえる

赤い腰巻の先

その赤い色がとても印象に残った

のです。

想像してみていただけますか?

島田に結った髪、黒い着物をぱっと

持ち上げ片手に持ち赤い腰巻を

ちらつかせ下駄でタッタッタ

と走ってくる芸者さん

ちょっと粋じゃないですか?

幼い私でしたが、それがとても

とても素敵に見えたのでした。

何故か芸者という言葉も知ってました。

幼稚園が終わり、家へ帰った私は

母に

「私、大きくなったら芸者さん

 になる!」

と宣言していました。

母は呆れかえってましたが、

私にはその意味がわからなかった

のでした。

〜続く〜