今回の台風19号の被害は本当に予想をはるかに超えた河川の氾濫という、各地で次々と氾濫のニュースが飛び込み目を覆うものばかりです。被害に遭われた皆々様に心よりお見舞い申し上げます。

さて、台風の最中、うちの知的と精神の障がいを持つ息子のとった行動をお話ししたいと思います。

12日に台風が関東上陸ということで、土曜日ということもあり、台風の備えは済ませてあったので、息子と私は其々の部屋におりました。

テレビでは朝から台風関連のニュースが流れ、いよいよ上陸した頃、時々けたたましくなるスマホの災害警戒警報の音や、救急車消防車の音等でかなりのストレスが息子に襲いかかっていたようです。

窓のカーテン、窓が磨りガラスということもあり、カーテンを引くのを嫌がり、開けっぴろげの状態の息子の部屋。

流石に、もしガラスに何か飛んできて割れたら危険だからと、カーテンを閉めてもらうようにしたのですが、

案の定とても嫌がりました。嫌がるのは分かってたのですが、生命の危険を話しなんとか納得してくれました。が、ガッと、引っ張ってしまい、カーテンのフックが折れて外れてしまったのです。

仕方なく端を洗濯バサミで止めたのですが、それが気に食わなかったようで、パニックが始まってしまいました。

普通ならそれくらいの事で怒ったり、パニックになったりしないのですが、いくつかの条件が重なってしまい、もう我慢の限界だったのかもしれません。

パニックになった時は、様子を見ながらそっとしておきます。そのうち治るのです。
治ると大抵外の空気を吸いたがるので、もしかして…と思ったらやっぱり…

ジャンパーを着て「飲み物買ってくる!」
と、部屋から出てきたのです。

「えー?!!今お店はどこも開いてないよ、それにこんな時に行かないで!」
と、私

「自動販売機で買うから」
と、静止を振り切って出て行ってしまいました。

無理矢理止めても無駄なのでそのまま行かせましたが…
飛ばされたらどうしよう心配と不安がよぎります。

マンション のベランダ側、道路を挟んで向かい側に自動販売機があります。
多分そこへ行くはず、と窓から見てましたがなかなか出てきません。

ちよっとしたらその販売機に向かう息子の姿が見えました。

傘を持っていたったのに傘を持っていません。

街路樹が明るく照らす中、車は全く走ってません。横断歩道が赤で、律義に信号無視せず青になるのを待っています。

風は強そうですがしっかりとした足取り、販売機のところでしばらく止まっています。

買いたい飲み物がないのかなかなか買いません。ほかの販売機まで行くのか私はハラハラドキドキ

突然強風が吹いたのか木々が大きく揺れました。息子は販売機の前でしゃがんでるようです。

ようやく買うことができたようで、家の方へ歩きはじめました。ちらっとこちらをみたので、あわててカーテンの陰に隠れました。

見ていたと知ったらまた機嫌が悪くなるかも知れないのです。
風が吹き抜けていきます。ようやく息子が帰ってきました。

買ってきたものはこちらの缶コーヒーでした。
部屋に入った息子はこれで落ち着いたのかしばらくしたら歌声が聞こえてきました。

ほんとにもー! (苦笑)(冷や汗)

無事生還、そんな思いの数分のできごとでした。