以前電車に乗っていた時のことです。

車内の優先席に座っていつの間にか目をつぶっていたようです。

「ここに座りなさい」
というお年を召した男の方の声で目を開けてみると、
その声は
優先席にちょこんと座っている3、4才位の女の子、その脇に座っていたおじいさんのものでした。

声を掛けた相手は優先席の横で入口に向かって、乳母車を押していたお母様。

「次で降りますから、ありがとうございます」

とやんわり断っている。おじいさんは納得してまた優先席に座られた。

女の子は、きちんと膝を揃えて床に届かない足をぶらつかせることなく大人しく座っている。手もお膝に。

特にお母様と会話を交わすでもなく静かに座っている。

そして次の駅に止まると女の子はスッと席から降りてお母様と降りようとしました。

その時に

お母様とその女の子が顔を見合わせてニコッと笑ったのです。

女の子の、何とも言えない可愛いその笑顔!
とても印象的で心に残りました。

ほんの数分の出来事ですが、本当に微笑ましく心暖かくなる出来事でした。

それだけで普段のそのご家庭の子育ての様子がうかがえるようでした。

私の子育てもこうありたかったなと思いつつ、そっと苦笑いした私でした。